第85回日本社会学会大会

に行ってきました。一番印象的だったのは仁平典宏先生講演会でした。真摯な親切心の贈与なはずのボランティアは、日本では時に有償化され、ネオリベのもとで自分探し化し、かつNGOの台頭によりさらに収益化、市場化されてしまったそうです。仁平先生は、限界を認めつつも福祉国家モデルに依然希望を託している模様でした。

一番観客を集めたのは宮台真司先生、小熊英二先生も交えた「ポスト3.11の社会学理論」シンポジウムだったのではないでしょうか。民主的な社会構築のために日本ではパターナリズムでもってコンセンサス会議などを行うべきとの宮台先生と、"日本=ダメ論"には違和感を覚え、パターナリズムと言う必要はなく、エンパワーメントで良いのではとする小熊先生とのあいだで論争が起こり、大いに盛り上がったと言えるでしょう。

その他、科研費を取得して、薬物依存回復支援施設でフィールドワークしている先生方5名のセッションなどもあり、たいへん勉強になりました。

全体的には、ネオリベグローバル化に抗するために、再び政治化が進んでいる感じがした社会学ワールドでした。(日本の論者は表面上はそこまで露骨ではありませんが)