坂本龍一・YMO・サウンドストリート

2009年は、YMO「ソリッド・ステート・サバイバー」30周年ですね(宗教社会学としては、イラン革命30周年というのもあります)。
ここへ来て、YMO周辺の出版・再発などがまた盛んになってきました。

音楽は自由にする

音楽は自由にする

これは坂本氏の自伝です。
何しろ「初めて好きになったヨノナカの事象」がもしかしたらYMOだったかもしれない私にとっては、一気に読める本でした。
売れ線YMOに対抗してB-2 Unitを作り、その意趣返しとして、細野・高橋が"CUE"を作ったというくだりは面白かったです。
再生YMOの時はわだかまりがまだ消えていなかったとのこと。再生YMOについてはたったの4行ぐらいで総括していて、当時のスタッフにしてみればなんだかなぁな展開でしょうね(笑)。
また今週、彼がDJをつとめていたサウンドストリートが再放送中です。
一部はネットでも聴けます。
http://www.nhk.or.jp/my-fm-days/
思えば当時の教育テレビの"YOU"とかも、実は過剰に全共闘世代の理屈っぽい語りだったりしていました。
坂本氏の発言や語彙は、当時中学生の私には難解すぎましたが、いま思えば、あれは「東京の大学院生の、頭でっかちな思考」だったのだとも思えます。私が、東京で大学院生をすることになったからわかったのですけれどね。
坂本氏は、時に経歴がジャマをして、ポピュラー音楽としてはちょっと説明的に過ぎる傾向があったかもしれません。その点、高橋幸宏さんは聴きやすかったですね。
その高橋さんのアルファ時代のソロベストも出て、さっそく入手しました。
【Blu-spec CD】Turning The Pages Of Life THE BEST OF YUKIHIRO TAKAHASHI IN ALFA YEARS 1981-1985

【Blu-spec CD】Turning The Pages Of Life THE BEST OF YUKIHIRO TAKAHASHI IN ALFA YEARS 1981-1985

1枚組でも良かったような気はしましたが、ファンにとっては、音質向上し、集めにくい音源も入っていて、お買い得かもしれません。"And I Believe in You"などは、なぜアルバムに入れなかったのでしょうと思えるほど。
YMOは、坂本の現代音楽の素養、細野晴臣のプロデュース能力、高橋のポップ性の融合だったと思っていましたが、これのライナーノートで期せずしてそれを確証していただいた気分にもなりました。
わかりやすいシンセ/ドラムマシンポップという意味では、高橋氏がいちばん優れていたとさえ思います。