ゼミ面接の達人。決め手。理由。自己紹介 マナー コツ 質問 Revised & Updated

文系の大学では、多くの場合、3年次に向けて「ゼミ選考」がおこなわれます。
選考のためのゼミ面接のTipsを一般論として書いてみたいと思います。

1. 成績は結構重要

定員以上の希望者が集まった場合、成績を参照する教員は多いです。
なので、GPAは、オールSにしろとは言いませんが、DよりはCを、CよりはBを、BよりはAを…の精神で、少しでも良くしておきましょう。
この話をすると、GPA評定はそんなに平等だろうか、楽勝科目ばかり取ってる奴はどうなる、といった意見がよく出ます。
それはごもっともなのですが、現状では「それに代わる長期に採集したデータ」が他にないのもまた事実です。

2. その教員の科目の過去の成績が良いこと

どうしても教員というものは「入ゼミ生がこれまでの自分の科目でどんな成績を取って来たか」がある程度気になるものです。というのは、それによって、能力というよりはむしろ、相性(興味関心における)も示していると思われるからです。
なので、その教員の過去の科目で「D」が1つ以上ある場合、デメリットになる可能性はあります。

3. これから何をやりたいか

これは就職面接でも同じですが、採用面接というのは、究極には、

(1) これまで何をしてきた人間なのか
(2) 入ったら何をしたいか

の2つを面接官に話すということに尽きます。
なので、ゼミに入ったあとで、自分はこれこれのテーマをやりたい、とハッキリ述べることができたら、第一関門突破でしょう。
「まだ決めてませーん」と平然と言われると、そりゃーがっかりしますよ(^^)
また、社会学のゼミでしたら、それが「調査可能なテーマか」ということも、次に重要になってきます。
ですので、これこれのテーマで、こういう人たちにインタビューしてみたい、まで言えればかなり良いと思います。

4. 自分にばかり注目が集まることを期待してはいけない

アメリカの教会の聖歌隊のことを取材していた時、聖歌隊メンバーの心得を書いた文書の中に「自分にばかり注目が集まることを期待してはいけない」と書いてあって、なるほどなーと思ったことがあります。実はこれ、学校の少人数クラスでも同様なんですね。そのあたり、面接の際には気をつけた方がよいかもしれません…

5. 「質問はありますか?」と訊かれた時に注意すべきこと

「このゼミでの負担はどのぐらいですか?」
「このゼミでどのぐらい時間を拘束されますか?」
というような質問は、どちらかと言えば、しないほうが良いと思います。
たとえばの話、もしもあなたがあるお店の経営者で、これからお店という「プロジェクト」を盛り上げてゆこうという時に、バイト採用で面接した人が「このアルバイトをすることによる負担はどのぐらいですか?」と訊いてきたら、どう思うでしょうか…

6. ゼミの合否は必ずしもあなただけの責任ではない

上記のことをすべて言い終わった上で、なお強調しておきたいのは、
「特定のゼミ選考に落ちたとしても、あまり自分だけのせいだと考えないほうが良い」
ということです。
ゼミの定員ですら毎年微妙に変わりますし、カリキュラム改革の結果、これこれのカテゴリーの学生はX名、と内規を決めて選考をしていたりします。
選ぶ側も、泣く泣く落とさざるを得なかった、なんてこともあります。
というわけで、他の志望者がたまたま成績優秀だったのかもしれないし、相性が悪かったのかもしれないし、その先生の見る目がなかったのかもしれない。

それに、特に社会学ですと、この先生でなければこのテーマができない、なんてことはまずありません。
どのゼミであろうと、自分で自分のテーマを切り開いていく。俺が前例になってやる。そのぐらいのガッツのある人材を、どの教員も求めていると私は思います。

被害者のクレイムとスピリチュアリティ

若い世代の研究者の方が、拙稿に言及しておられます。感謝いたします!
http://d.hatena.ne.jp/font-da/20140430/1398843526
当時を思い出しますと、この小論は、編者の櫻井義秀先生から与えられたテーマでした。博士論文の内容の一部に、一次資料を新たに加えて書いたものでした。

佐藤雅浩先生著『精神疾患言説の歴史社会学』

だいぶ前回の更新からあいだが空いてしまいました。
最近は若い皆さんの研究に触発されることも多いですが、精神医療の社会学では、上記のこの本が白眉でしょうね。
昨夏には書評会などにも呼んでいただきました。
新聞から近代日本の精神疾患言説を丹念に追った労作です。

MAD MEN、ハウス・オブ・カード

あまちゃん半沢直樹で久々に盛り上がった今年の日本のドラマ界でしたが、アメリカンドラマも変わらず秀作が輸入され続けていますね。
よく見ているのが、1960年代アメリカ、ニューヨークの広告会社を描いた愛憎ヒューマンドラマ、MAD MEN
http://axn.co.jp/program/madmen/
残念ながら、シーズン5は日本のCSでの放映の見込みが立っておらず、TSUTAYAで借りて2週間で観てしまいました。
マッドメン シーズン5 (ノーカット完全版) DVD-BOX
このシーズン5、連続エミー賞を逃したシーズンながら、個人的には非常に見せ場の多いエキサイティングなシーズンだったと思います。
ネタバレになるので詳細は避けますが、数名、重要なキャラクターが本シーズンで番組を離れます。
それぞれの苦悩、それぞれの狂気が、複雑な伏線の中で織り成されていくストーリーは見事! の一言でした。

イマジカBSで放送が始まったばかりなのは、House of Cards。
http://www.imagica-bs.com/yabou/house_of_cards/
ケヴィン・スペイシーが画面に出てくるだけでヒューマンドラマが始まりそうに見えるのは、やっぱり貫禄ですね。
新大統領就任後、国務長官を約束されていた政治家が、その約束を反故にされたことから始まる復讐劇、という感じですね。まだ1話しか見ていませんが。

こうしたアメリカのヒューマンドラマに通底しているのは、徹底した人間不信なトーンです。移民たちが作り上げた弱肉強食の社会だからでしょうか。
特にMAD MENは、虚飾に満ちたイメージ戦略の世界を描くことによって、現代のアメリカ人の苦悩の源泉がどこらへんにさかのぼれるのかを描く作品として成立しているようにも思えます。

グローバリゼーションとスピリチュアリティ/文化接触の創造力

久しぶりに単行本に寄稿しました。

文化接触の創造力

文化接触の創造力

拙稿タイトルは「グローバリゼーションとセルフ・スピリチュアリティ」です。
1万字程度の短めの文章になりました。
教文館のサイトにも掲載されています。
http://www.kyobunkwan.co.jp/xbook/archives/67931

たをやめオルケスタ

私の最大の趣味は音楽なのですが、このところ注目しているのがたをやめオルケスタ(インディーズ・バンドと言って良いでしょう)。
http://www.youtube.com/watch?v=T9uDtcyJfsY
女子18名のブラスバンドです。とにかく、ライブハウスで聴くと多数の金管楽器の迫力にまずは圧倒されます。
ビッグバンドを基本としながらも、J-POPやそのほか様々な音楽の要素が融合し、曲も聴きやすく素敵なものばかりです!
http://tawoyameorquesta.com/
結成は2008年ごろらしいのですが、このほど初・スタジオフルアルバムもリリースされる見込みで、ちょうどのぼり調子のアーティストと言えるでしょう!
もともと、20台の後半にヴィレッジヴァンガードバンバンバザールを知り、ジャグ、スウィング、ビッグバンド系の楽しさに触れ、その後下北沢の路上でジプシーヴァガボンズに出会いました。ジプシーヴァガボンズのボーカル秀子さんが、たをやめオルケスタにも参加されています。
ライブハウスずきの人なら要チェックです!

ダニーのサクセス・セラピー

日本でも題名に「セラピー」の入ったドラマが放映されています。
CS/ケーブルチャンネルAXNでの「ダニーのサクセス・セラピー」(原題 Necessary Roughness)です。
http://axn.co.jp/program/necessaryroughness/index.html
アラフォーとおぼしき、女性セラピストのダニーが、アメフトの選手(おもに問題児)たちに催眠療法を施してゆきますが… ダニー自身も、ティーンの子どもたちを抱え、離婚係争中! という設定のドラマです。
初回を観たのですが、催眠療法が、かなり実態に則して描かれていますし、毎回、セラピー的なテーマもあるようで、たいへん興味深かったです(たとえば、怒りを抑えるには…? など)。
アメリカンドラマの初回はパイロット版としてお金をかけて作られることが多いですが、もしこの初回の質を保っていけるのならば、エンタテインメントとしてもなかなかの出来だと思いました!