裁判員制度って

裁判員制度が話題になっています。
興味深いと思うのは、イメージですけれど、以前なら、割と海外経験もあるリベラル寄りの人のほうがむしろ陪審制度的なものの導入に賛成していたと思うのですが、
ここへ来て、日頃は国家権力の介入にいちばん警鐘を鳴らしているような論客からも(森達也さんとか)、裁判員制度に対し批判的な見解が出てきていることです。
ちょうど、今月号の岩波書店『世界』が裁判員制度特集でした。すごく久しぶりにこの雑誌を買いました。

世界 2008年 06月号 [雑誌]

世界 2008年 06月号 [雑誌]

もちろん、賛否両方載っていますけれど、同誌の総論としては、どちらかというと肯定的に、前向きに捉えている様子が窺えます。
あと、実際に裁判員をつとめる人数はそう多くはないので、その意味でも、危急に何かインパクトを必ずもたらすということでもないようですね。
「人は、未知のものに希望を託して新しい可能性を追求するより、不満を持ちながらも慣れ親しんだものに執着するのだろうか。それこそ、究極の保守主義ではないだろうか」(後藤昭, p.100)という言葉が印象的でした。