この春大学院に進学する皆さんへ。

現在でも、大学院の志願者については、微増している学校もあるようです。
大学を研究機関としてみた場合、やはり一定数の院生の皆さんが居て、各自が独自の研究をし、究極にはその結果として、博士号を取得し、研究者として巣立っていってもらう、ということが健全におこなわれているのは、とても重要です。
というわけで、研究者としてのキャリアを歩む人、修士2年間もう少し勉強して一般企業に就職されようとする人など、動機はさまざまかと思いますが、進学を選んだ皆さんに、まずは入学おめでとうと申し上げたいです。
『博士論文の書き方』的な英文の本に「自分だけに語りかけているような論文を書いているうちはダメだった」という記載がありました。
学部学生時代とは違い、確かに大学院以降は、もはや駆け出しのイチ研究者です。正しいか、間違っているかだけではなく、「○×学」と銘打たれた、興味と利害を共有する共同体の中において、そこで通用する言語で、かつそこに貢献する仕方で、いずれは研究成果を生産していただきたいです。
…と、理屈っぽいことを書いてしまいましたが、まずは「[過去の]誰の研究の上にものを書いているのか」を明確にすると良いと思います。
そして、researchabilityとも言いますが、情熱を傾ける事ができ、調査可能性の高い(e.g., 資料が多い、当事者にアクセスできる等)テーマを見つけることが、まずは求められるでしょう。