菅野優香先生講演会「クィア・ロマンス――少女映画の力学」

を拝聴してきました。
アメリカでは男性ふたり主人公の映画が人気を博しているいっぽう、日本では、女性同士の関係性を描いた映画が人気なのが好対照であると言います。そのことを、映画「NANA」「下妻物語」「かもめ食堂」を題材に、「クィア理論」を用いて論じる、といった内容でした。
これらの映画が暗黙に示しているのは、従来の「異性愛プロット」とは違う「制度の外の親密性」であるそうです。
もちろん、話のトーンは映画表象論なので、少々「精神分析」を聞いているような瞬間もあったり、また、個々のテクストをどう読むかということについて、コンセンサスのとれた「証拠」があるわけでもないそうです(そのあたりは課題のようでした)。しかし、ともすれば衒学的な解釈論になりそうな話を、菅野先生は非常にわかりやすくお話しくださり、たいへん興味深い講演だったと思いました。