勝間和代さんを読む。

断る力 (文春新書)

断る力 (文春新書)

今をときめくカツマー本の一冊です。本人がフォトリーディングを実践しているだけあって、大事なところはゴシックで書いてあるので、精読もとばし読みも、どっちも可です。

「断る力」とありますが、総体的にはビジネスや対人交渉の姿勢についての一般論と言ってもいい内容です。

自己啓発本をすすめながら、古今東西自己啓発本に書いていることは実は同じですとハッキリ認め、でも何かひとつでいいから、実行に移してみましょう、と呼びかけている。・・・割と全編にこのトーンは貫かれており、相手に譲歩し、それでいて何をすれば互いにとってプラスになるのかをわかりやすく先導するというパターンで書かれてあります。

お上に文句を言う日本人の国民性、ネットのネガティビティなど、話題は多岐にのぼり、それでいてタイムリーな用語は押さえられています。ひとつひとつの言ってることが割と説得的であり、参照文献もしっかり紹介されています。

古いメッセージを新しいパッケージに包み、人の向上心を嫌みのない仕方で刺激しています。成功している人には、自分のやり方は間違っていなかったのだと確信させ、もっとがんばらなくちゃいけない人には背中を後押ししてくれる。しかも文章はとびきり読みやすいです。
2000年代の「自己啓発作家」の頂点に立っているということがある意味納得できる一冊だと思いました。