秋の新書。

論争 若者論 (文春新書)

論争 若者論 (文春新書)

昨今の若者論コンピレーション。
赤木智弘「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争」も収録です。
この論文というかコラム、いま読んでもそれなりに面白さはありますね。
さほど文献収集はなされていないものの「構造改革で割を食う層がなぜ小泉を支持したのか」についてもサラリと説明してあるあたり、なかなか読ませます。
もちろん、過去の戦争からの教訓もなく一足飛びに戦争を待望してしまうのは暴論と言えば暴論なのですが、フリーターの叫びというレトリックとしてなら、少なくとも注目を充分に集めうるレベルではあると思います。
しかし新書もこうなると、もはやコンセプトのある啓蒙書というよりは単なるひとつのフォーマットですが、このような使われ方はむしろ増えていくことでしょう。

鈴木謙介さん新作。
ヤッピーの対抗文化的精神は、反権威というところによってかえってネオリベラリズムと結びつく、みたいな話で、「カリフォルニア・イデオロギー」がかなり決定的な要素として引用されています。

稲場圭信さん新作。著者謹呈していただきました。
宗教教団などにおける利他主義を研究しておられる著者の作です。

テレビと宗教―オウム以後を問い直す (中公新書ラクレ)

テレビと宗教―オウム以後を問い直す (中公新書ラクレ)

LAST BUT NOT LEAST、石井研士先生の待望の新作です。
テレビにおける宗教について丁寧な議論が展開されています。