『江原啓之 本音発言』

表題の本、さっそく買って読んでみました。
乱暴にまとめると、
「真偽性については(視えているのかいないのか等については)信じたくなければ信じなくても結構。それは本質ではない。
私の活動が役に立っている人がいるのならそれで良いではないか」

という論調の「反論」が続いていたように思います。
もともと、批判には割と敏感で、かつ彼なりには理論武装している人ではありますが。

興味深かったのは、玄侑宗久氏による「[霊の世界を相対化して]仏教は[それがホントではなく]文化であるからまっとうな地位を築いているのである」的な自己弁護に対して、「霊的現実を否定するなら仏教イベントや行事のすべては霊感商法になってしまうのではないか」と猛反発していたところです。このテーマでもし公開討論か何かやったら、それはそれで面白いだろうなと思いました。(この段、かなり記憶で要約しています。正確には著書をあたってください)

また、最後のほうで、スピリチュアル世界を世に知らしめる活動は実を結んできていて第2段階に入っており、もっと社会に定着させたい的なことを言っていました。これについては、彼の依拠するスピリチュアリズム自体が、いわばサブカル的言説だからこそ商品価値がある、という側面を彼が見落としているような気がしました。