日本版ポリティカル・コレクトネス

その昔、いや今でも、アメリカでPC(Political Correctness)の運動というものがあります。
マイノリティの人たちに配慮して言葉遣いを正そう、という流れですね。
古くはchairman(議長)は男に限らないはずだということで、chairpersonとか。
これをパロディにした本『政治的に正しいおとぎ話』では、背の低い人のことを「垂直方向にチャレンジされた人々」などと言い換えたりしていました。
ここで言う「政治的」というのは何も自民党社会党、国会などという意味で政治的ということではありません。
むしろ、普遍的な原理に基づくものではなく、個別の利害に基づいて動いているさまを「政治的」と言っているのですね。
その意味では「政治性を正したおとぎ話」とでも訳すべきかもしれません。
日本も、「産む機械」や「水道水」などの発言がエンエン話題にされるあたり、こうしたポリティカル・コレクトネスの運動が少しずつ出てきているということなのでしょう。