当事者性ふたたび

当事者性、特に最近は弱者、障害者、被害者の当事者性が強調されるようになってきました。こうした議論では、しばしば味方なのか敵なのか的な二元論がみえかくれしています。
しかししばしば、一般の組織内でも、ある種の強固な仲間意識や内向き姿勢を感じることがあります。
たとえば、趣味のサークルやそのイベントのホームページ作成等に関わっていても、わかりやすく無差別な情報公開・発信が、必ずしもメンバー内で歓迎されない。「これは一体誰に向けて発している情報なのかな?」と疑問に思うことがあります。
しかし考えようによっては、ほとんどの組織は利害関係を抱えた一種の当事者運動なのかもしれません。そもそも、一般化された・開かれたコミュニケーションなど最初から志向していない。その辺の間合いを察知するのがすなわち「空気を読む」ということなのでしょう。
社会への、中立・客観的な関心・研究などは、その意味では非常に困難さを抱えた営みなのです。