ビートルズ以前の音楽? バンバンバザール たをやめオルケスタ ジプシーヴァガボンズほか

東京ライブハウスシーンに興味をもって久しいわたくしですが、バンバンバザールや、ジプシーヴァガボンズなど、スウィング、ジャズ、ビッグバンドを(時に日本語詞で)演奏する現代日本のインディースアーティストに特に注目してきました。

いろいろな解釈は可能でしょうけれども、私の見るところ、こうしたアーティストの皆さんの特徴をひとことでまとめるならば
ビートルズ以降の音楽を聴いて育った世代が、ビートルズ以前のポピュラー音楽に回帰している」
ということかもしれません。
おおよそ、今のポピュラー音楽は、突き詰めれば1978年ごろのディスコに行き着き、さらにさかのぼると、1920-50年代のジャズ、スウィング、ビッグバンドなどに行き着く、そんな印象を持っています。後者はいわばポピュラー音楽の基礎となったものであり、ポピュラー音楽の楽しさの原点です。それは、誰が聴いても楽しめ、演奏しやすく、どこか懐かしい音楽を聴いている気分になれる、そんなものだと思うのです。

ストレイト・アウタ・コンプトン 日本公開 NWA

ギャングスタ・ラップの道を切り開いたグループNWAの伝記映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』がいよいよ日本でも公開です。

私も先日鑑賞する機会を得ましたが、ヒップホップ、R&B好きはもちろん、1990年代アメリカ大衆文化を知る教材としてもおすすめです。
若き日の情熱と栄光と挫折と仲違いと…ひとつの青春映画としても楽しめる作品となっています。
もちろん、マニアからは史実とはいろいろ違う、との指摘もありますし、白人社会が「期待」する黒人像をある意味で「演じ続けた」ところこそが、エポックメイキングな曲を生み出し、また現在まで続く注目の背景となったのかもしれません。

加藤有希子先生『カラーセラピーと高度消費社会の信仰:ニューエイジ、スピリチュアル、自己啓発とは何か?』

本日、この本が職場に届いていました。

加藤先生、ご恵贈ありがとうございました!
拙著にも脚註で言及いただき恐縮です。
これからじっくり勉強させていただきます!

Act of God ブロードウェイ ジム・パーソンズ主演

ジム・パーソンズ(『ビッグバン★セオリー』)主演のブロードウェイ劇 Act of Godを先月観ました。【以下少々ネタバレ】
全知全能の(ユダヤキリスト教系とおぼしき)神が、人間たちに新しい十戒を示すという内容のコメディ。
「God Bless America? 何をblessするのか、君が決めないでくれ!」
(世界にはなぜ不正がはびこってるの?)
「神は不思議な仕方で働くんだよ…」
やがて神は自分が嫉妬深い殺戮者でもあり、そんな自分に似せて人を作ったのだと開き直ります。
しかし最後には、天国にやってきたばかりのスティーブ・ジョブズの協力で「UNIVERSE 2.0」をローンチする、と宣言。そこは、良い人は必ず報われ、悪い人は必ず罰せられ、死ぬこともない理想の世界だと言うのですが…
英語学習者にとってはなかなかチャレンジングな聞き取りの連続でしたが、観てよかったと思いました。
(ヴィレッジヴォイス紙の若干辛口の評価は下記に)
http://www.villagevoice.com/arts/the-twitter-based-comedy-an-act-of-god-isnt-all-that-funny-7208079

スピリチュアリティの倫理とグローバル資本主義の精神

『宗教研究』(日本宗教学会)に、「スピリチュアリティの倫理とグローバル資本主義の精神? : アメリカ由来の自己啓発言説に注目して」という論文を寄稿しました。
http://ci.nii.ac.jp/naid/110009845136
上記URLにてPDFで読めます。

ゼミ面接の達人。決め手。理由。自己紹介 マナー コツ 質問 Revised & Updated

文系の大学では、多くの場合、3年次に向けて「ゼミ選考」がおこなわれます。
選考のためのゼミ面接のTipsを一般論として書いてみたいと思います。

1. 成績は結構重要

定員以上の希望者が集まった場合、成績を参照する教員は多いです。
なので、GPAは、オールSにしろとは言いませんが、DよりはCを、CよりはBを、BよりはAを…の精神で、少しでも良くしておきましょう。
この話をすると、GPA評定はそんなに平等だろうか、楽勝科目ばかり取ってる奴はどうなる、といった意見がよく出ます。
それはごもっともなのですが、現状では「それに代わる長期に採集したデータ」が他にないのもまた事実です。

2. その教員の科目の過去の成績が良いこと

どうしても教員というものは「入ゼミ生がこれまでの自分の科目でどんな成績を取って来たか」がある程度気になるものです。というのは、それによって、能力というよりはむしろ、相性(興味関心における)も示していると思われるからです。
なので、その教員の過去の科目で「D」が1つ以上ある場合、デメリットになる可能性はあります。

3. これから何をやりたいか

これは就職面接でも同じですが、採用面接というのは、究極には、

(1) これまで何をしてきた人間なのか
(2) 入ったら何をしたいか

の2つを面接官に話すということに尽きます。
なので、ゼミに入ったあとで、自分はこれこれのテーマをやりたい、とハッキリ述べることができたら、第一関門突破でしょう。
「まだ決めてませーん」と平然と言われると、そりゃーがっかりしますよ(^^)
また、社会学のゼミでしたら、それが「調査可能なテーマか」ということも、次に重要になってきます。
ですので、これこれのテーマで、こういう人たちにインタビューしてみたい、まで言えればかなり良いと思います。

4. 自分にばかり注目が集まることを期待してはいけない

アメリカの教会の聖歌隊のことを取材していた時、聖歌隊メンバーの心得を書いた文書の中に「自分にばかり注目が集まることを期待してはいけない」と書いてあって、なるほどなーと思ったことがあります。実はこれ、学校の少人数クラスでも同様なんですね。そのあたり、面接の際には気をつけた方がよいかもしれません…

5. 「質問はありますか?」と訊かれた時に注意すべきこと

「このゼミでの負担はどのぐらいですか?」
「このゼミでどのぐらい時間を拘束されますか?」
というような質問は、どちらかと言えば、しないほうが良いと思います。
たとえばの話、もしもあなたがあるお店の経営者で、これからお店という「プロジェクト」を盛り上げてゆこうという時に、バイト採用で面接した人が「このアルバイトをすることによる負担はどのぐらいですか?」と訊いてきたら、どう思うでしょうか…

6. ゼミの合否は必ずしもあなただけの責任ではない

上記のことをすべて言い終わった上で、なお強調しておきたいのは、
「特定のゼミ選考に落ちたとしても、あまり自分だけのせいだと考えないほうが良い」
ということです。
ゼミの定員ですら毎年微妙に変わりますし、カリキュラム改革の結果、これこれのカテゴリーの学生はX名、と内規を決めて選考をしていたりします。
選ぶ側も、泣く泣く落とさざるを得なかった、なんてこともあります。
というわけで、他の志望者がたまたま成績優秀だったのかもしれないし、相性が悪かったのかもしれないし、その先生の見る目がなかったのかもしれない。

それに、特に社会学ですと、この先生でなければこのテーマができない、なんてことはまずありません。
どのゼミであろうと、自分で自分のテーマを切り開いていく。俺が前例になってやる。そのぐらいのガッツのある人材を、どの教員も求めていると私は思います。